ろ過装置はフィルターを使って異物を取り除くものというイメージがありますが、マルチサイクロンは強力な遠心力を使います。フィルターを使うタイプの代表的なろ過装置は、緩速ろ過とグラスパールフィルターです。緩速ろ過は砂利を多層に敷き詰めてフィルターとして使い、時間をかけて異物を取り除きます。砂利の中には微生物や藻類が含まれていて細菌や悪臭も取り除くことができますが、酷く濁った水には対応できません。

このタイプはフィルターに異物が溜まると性能が落ちるため、頻繁に交換する必要があります。グラスパールフィルターは緩速ろ過より優れた性能があり、異物を排出する仕組みも備えています。このタイプは緩速ろ過と比べて頻度が少なくなるものの、定期的なフィルターの交換が必要です。マルチサイクロンはフィルターを使わないだけでなく、溜まった異物を排出できる仕組みを備えています。

下部から取り込まれた汚水がサイクロン部に流れ込むと、激しく回転して遠心力を発生させ異物を分離します。浄化された水は上部から排出され、異物は下部にある透明なポリカーボネートの沈殿槽に溜まります。マルチサイクロンは沈殿槽の内部を外部から確認でき、異物が溜まったらドレンバルブを開いて排出します。何らかの難しい制御を行う必要がなく、他のタイプのような定期的なメンテナンスも不要です。

強力に異物を取り除く性能を備えながらメンテナンスフリーで扱いやすいため、食品や化学製品の工場の他に汚水や汚泥の処理施設など様々な場所で採用されています。

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