工場などの設備においては生産活動に伴って排気や排水が発生しますが、これらの中には相当量の熱エネルギーが含まれています。たとえばボイラーを燃焼させた場合、そこから生まれる水蒸気はかなりの高温です。また、そのボイラーで沸かした湯を洗浄や加熱殺菌などの処理に使用した場合、使用済みの湯はそのまま排出されますが、そこにも多くの熱が含まれます。こうした熱エネルギーは、従来は大気中に放出されたり下水に流されていました。

しかし近年では、これを再利用して省エネルギーに役立てるという動きが目立つようになっています。これを排熱利用といいます。排熱利用では、特別な設備を用いて排気や排水から熱エネルギーを取り出し、施設内で再び使用します。その結果、生産活動に伴うガスや電力の消費量を減らし、省エネルギー性の向上を実現するとともに、コストの削減にもつなげます。

排熱利用のための設備はニーズに応じてカスタマイズすることが可能で、回収した熱エネルギーもさまざまな目的に活用できます。もっともシンプルなのはもともとの熱利用と同じ用途に使うというもので、たとえばボイラーで湯を沸かす場合、回収した熱を貯水タンク内の水を予熱するのに用いれば、通常の使用方法でボイラーを燃焼させるよりも消費エネルギーは少なくて済みます。一方、たとえば排水から取り出した熱をダクトで循環させて室内の空調に使うなど、まったく別の目的に転用することも可能です。

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